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プログラミング大会 in JAXA に参加しました

· 約9分

10/21 (土) 、筑波にある JAXA 宇宙センターで、JAXA 主催のチームプログラミング大会の決勝に参加しました。大会の正式名称は、「第4回 Kibo-RPC」です。競技としては、ISS モジュール内で実際に使われているロボットを操作して、ターゲットまで誘導するというものでした。7月初旬に行われた予選は、ISS 内を再現したシミュレータを用いて行われたましたが、今回の決勝では実際に ISS の「きぼう」モジュールを使わせてもらい、古川宇宙飛行士にロボットのセッティングをしてもらうという豪華仕様でした(軌道上決勝というかっこいい名前があります)。おまけに YoutTube で生放送もされました。僕らのチームは7月の国内予選で一位を獲り、日本代表チームとしての参加でした。僕らの他にも各国で国内予選が行われており、アメリカ、タイ、シンガポール、インドネシアなどの計10カ国の代表で決勝をしました。(ただし、つくばで対面参加したのは台湾やインドネシア、日本などの5カ国でした)

  結果から書くと、普通に負ました。トップ3は1位から順に台湾、シンガポール、タイの順で、僕らは最下位では無かったものの、芳しい結果ではなかったです。当日の RUN 結果を見た直後は悔しかったですが、同時にトップチームたちの(特に1位の台湾は凄かったです)ハイレベルな RUN をみて、位置推定や移動経路のコーディングの解説を聞きたくなりました。決勝 RUN が終わった後には、優勝チームによる戦略解説と質問タイムが設けられました。僕のチームでは誰も知らなかったような、制御工学の誤差推定の方法など、専門知識盛り盛りのコード解説が聞けてとても楽しめました。

  後に知ったことですが、他のチームたちが強いのはある意味当然でした。というのも、(負け惜しみになってしまうのであまり書きたくないですが、)他の国の、特に上位チーム達は殆ど決勝大会常連のようになっていて、同じメンバーか、あるいは同じ学校の先輩達が去年やその前も参加してノウハウを蓄積しているらしいです。大会では決勝に参加すると大会ロゴ入りの缶バッジがもらえるのですが、決勝後の交流会でインドネシアチームのリーダーが、カバンに前年度・前前年度のバッチをつけて参加していたのを見て、初めて常連チームの存在に気付きました。この大会では実際の ISS を使えるのは決勝の一回のみで、それまでの RUN やデバッグは全て ISS を模したシミュレータを用いて行います。シミュレータ内にも多少の外乱条件はあるものの、やはり実物とは異なるので、こちらのコード内で「更に厳しい外乱」を付加して行わなければいけません。実機の ISS モジュールは壁面は物が多くてぐちゃぐちゃだし、実際の風や光量もシミュレーションの綺麗な環境とは全く異なります。なので僕らは、他チームがどうやって ISS 実機を想定しているのか色々と調べていたし(全く情報は出てこなかったけど)、決勝で綺麗な制御を見た時にはとても驚きました。誇らしげなインドネシアチームのカバンに付いている、(今年と合わせて)3つのバッジを見たとき、彼らが強かった理由が腑に落ちました。

  とはいえ一番楽しかったのもまた、他のチームとの交流でした。当日のスケジュールの中で、決勝 RUN は半分くらいで、もう半分は JAXA 宇宙センターの特別見学や、宇宙飛行士やJAXA 職員との座談会でした。全日を通して、他のチーム達と一緒に行動したため、話す機会がたくさんあリマした。決勝のコードなどの技術的な話も面白かったですが、他の国での情報系の専門や進路の話もたくさん聞けてよかったです。工学系の人が多く、日本から帰国後すぐに別のものづくり系の大会に参加するチームもいて、こちらのモチベも上がりました。また、ISS にいる古川飛行士の中継だけでなく、対面で若田光一宇宙飛行士と話せる機会も頂けました。通常、宇宙飛行士を講演等に呼ぶ場合は、小さなイベントではダメで、「最低参加人数」というのが決まっています。しかし今回はそれより少ない20人の学生のために若田飛行士に参加していただき、非常に貴重な機会でした。若田さんにサインを貰いました。一緒に撮った写真も載せたいですが、なんとJAXAの許可がいるそうなので諦めます。(ちなみに若田さんとの写真は、緊張で肩幅がすごいことになっています)自分もいつか許可がいるような人物になりたいので、その時までには痩せていないといけません。

  せっかくなのでチームプログラミングの話や、決勝の日にできた海外の友達のことも書きたいですが、読む人が飽きそうなのでお蔵入りにします。一言だけ書いておくと、今回改めて、チームワークというのは個人の専門能力の多寡と同じくらい、時間管理とコミュニケーション能力に大きく左右されるものであると学びました(少なくとも今の僕にとっては)。ちなみに、交通費・宿泊費等の計6万円は JAXA 持ちで、日本予選で1位の時にはトロフィーももらえました。ありがとうございました。