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研究テーマの説明

一般向けの説明

おおざっぱに言うと、

「脳はどんな計算機か?」

てのが研究のメインテーマです。 生体にとって脳とは何かをつきつめて考えると 「センサ(感覚)入力に基づいて出力信号(運動指令)を出す入出力変換装置」 じゃないかと思います。 というわけで、

「脳はいかに身体を動かすか?」

ってとこに重点をおいて研究してます。 もう少し具体的には

  • 脳はいろんな運動をどうやって覚えるのか、その学習メカニズムを考える。
  • 脳が学習した運動のスキルやコツを探る。
  • 脳はどうやって状況に応じた行動を学習・選択しているかを考える。
  • その他各人のやりたいこと (ただし、面白そうで研究としても価値があると西井が認めるもの)をやる。

といった内容です。 メインテーマの副産物としてニューラルネットワークや強化学習などの機械学習の手法の研究が、sもれなくテーマ(の一部)になることもあります。

研究テーマの説明

スポーツの練習のとき、

運動は身体で覚える

と言うヒトがよくいますが、ちょっとこれは間違い。本当は

運動は脳で覚える

というのが正解です。 身体を動かすその運動の指令を出しているのは脳ですから、 大事なのは筋肉を動かす指令を出す脳を訓練することです。 (筋肉を鍛えるという身体で覚える部分もありますが。)

脳が運動の指令を出すしくみを理解するために、 大きく分けて以下の2つのアプローチで研究しています。

  • 脳はどのような運動を実現しようとしているのか …… 運動自体の理解(脳の外からの理解)
  • 脳はどのようなしくみで目的の運動を実現しているか … 学習・制御メカニズム(脳の内部の理解)

さらに具体的には、以下を見て下さい。 (西井のホームページもどうぞ.)

動物の歩き方の研究

犬 や猫は, 歩く速度によって足を動かす順番をかえています (知らない人はよく犬や猫をみてみましょう)。 アリやゴキブリなどの6本脚の昆虫なども, よく見ると速度によって歩き方を変えてます。 (本当はよく見てもわかりません。小さすぎるし動きが速すぎるし、 おまけにゴキブリは飛びかかってきます.ちなみにゴキブリは思いっきり走ってるときには後ろ足二本だけを使って駆け足をしてるそうで...)。 いつも同じ順番で足を動かせばよいものを、ご苦労さまなことです。

というわけで、 どうして, 動物は歩き方をわざわざ速度によって変えるのか を当研究室ではロボティクス的手法で研究し、「楽を追求」した歩き方をすると いくつかの歩き方を使い分ける必要が生じることを示してきました。

運動のコツの研究

歩行ロボットを作っても上手に歩かせるのはなかなか難しいものです。ただ左右の足を交互に動かすだけではすぐに転んで駄々をこねる子供のようになってしまいます。

一 方、多くの多足動物は平らな道だけでなくでこぼこ道も斜面もすたすた歩いてますし、ヒトはさらにボールを蹴ったりラケットを振ったりもできます。このようにヒトや動物が様々な運動を場所をすたすた歩いたりできる秘訣は何なのか、スポーツの熟練者が知る運動のコツは何なのかといった問題に取り組んで います。 具体的には、運動解析により運動のコツやスキルの発見に取り組んでいます。

運動学習の研究

ターゲットのコップ捕捉。 視覚座標位置確認。ただちに腕の各筋肉の目標長さ決定、喉がかわいたボヤボヤする んじゃない。上腕○△筋出動、0.1秒経過。ただちに下腕△□筋出動、いかん、手の開きの準備が遅れている。 親指伸筋への出力増大。小指伸筋出力不足。 このままでは目標に激突ぅ。ぁ゛ーー。コップ倒壊確認。 ただちに脱出行動に切替え。。。

歩くとなるともっと大騒ぎです。 脳が一体どのように全体のモータ(筋肉)を操っていろいろな運動を学習・実現しているか、 その学習の仕組を理論的解明に取り組んでいます。これまでの卒論・修論では、二足歩行ロボットなどの学習モデルの構築に取り組んでいます。

行動選択の研究

森を散歩している時おいしそうな果物があったら、あなたは友達に声をかけてみん なで食べますか?それとも独り占めしますか?ダーウィンの進化論によると独り 占めした方が他個体よりも、より長く生きのびて子孫を多く作れるので有利ということになるのですが、ヒトは必ずしも利己的にふるまわないこともあります。 その理由について仮想エージェントシミュレーションによって考察しています。

その他

というわけで、メインテーマは一応あるわけですが、 西井の気まぐれや研究室の住民の希望によってそれ以外のことをやることもあります。卒論・修論題目のページを御参考に。